2013年11月11月26日 ちよだプラットフォームスクエアにて第4回研究会を開催しました。
今回は、この研究会はじめての試み、「全編ワークショップ」。テーマを「”カイシャ””働く大人”を教育資源に!」とし、参加者のみなさんおひとりおひとりを「教育資源」と考え、どのような教育プログラムができるのかを考えることにチャレンジしました。
ワークの進め方
(1)まずは2人1組で「お仕事インタビュー」
ペアになった相手のお仕事についていろいろな角度からインタビューをし、「すごい!」ポイントをたくさん探しに行きます。
(2)4人1組になり「他己紹介」
インタビューをした相手の方についての「ここがすごい!」を、別のペアに紹介します。
(3)教育プログラムを考えてみる
4人の“働く大人”として、または“カイシャ”のもつ教育資源を活かして、どんな教育プログラムが出来そうか考えてみます。コラボ企画もあり!制約条件ナシ!とにかく「できたらおもしろな」をたくさん考えてみます。
さて、どんなアイデアが出て来たのでしょうか・・・?
各グループからのアイデア
①楽しく・おもしろく、元気になれることってなんだろう?
(企業人×学校の先生×コーディネーター)
「最近は、学校に入学後に元気がなくなってしまうこともあると聞きました。そこで、世代を超えてつながりを持てることが必要なのではないかという話がでました。例えば、何世代かが集まって掃除をする、など。子どもたちは、いろいろな年代の人に話を聞いてもらえるという経験ができます。しかし、すべての子に合うわけではないので、いろいろなしくみや、自分のペースに合わせて取り組めるような学びの場づくりができればと。また、大人として自分自身をふりかえってみると、地元への貢献ができているかというとなかなかできていません。大人にとっても「定年基礎力」のようなものが必要。つながりを作るしくみに、大人も学校の先生も巻き込めるようなしくみがつくれないかという意見が出ました。」
②「取材的キャリア教育」
(メーカー×若者支援×映像制作×求人広告コラボ企画)
「まずは子どもたちに何を学んでほしいかを考えました。そこで出たのは、「生々しいリアルなコミュニケーションを体感してほしい」。表面的ではなく、広い視野を持てるようなコミュニケーションを体感してほしいということです。ここでは、グループメンバー4人の業種をコラボする「取材的キャリア教育」を考えました。取材先の受け皿はメーカー(生活密着型商品)で担当、取材は、若者支援&求人広告の仕事を活かし、表現の仕方や企業での体験プログラムを支援できそう。取材をしている場面の記録やリフレクションの材料として、映像制作のスキルを活かし、撮影・記録を残す。取材の中身について、一般的な仕事の取材では、「いいところ」に焦点があたりがちですが、それだけではなく、いろいろな仕事があって、それぞれの人の「らしさ」を取材してほしいと考えています。地味な仕事であっても、ひとりひとりのらしさが行かされれば活き活きと働くことができる。泥臭さや喜びといった部分もインタビューできるような取材になるよう。しくみとしては、ただの取材ではなく、ゲーム性も取り入れ、オリエンテーリング形式にします。あらかじめ取材対象者を決めておき、どんな話をしていただくかを打ち合せしておくことで、子どもたちにいろいろな大人に会えるようにできるのではないかと考えました。」
③テーマは「いいところを掘り起こして行こう」
(研修講師×編集者×採用担当コラボ企画)
「3人のメンバーのコラボで何ができるか、を考えました。テーマは“いいところを掘り起こして行こう”。友達へのインタビューをして、友達の「強み」を発見し、自分の強みも認識するクセをつけることで、就職活動の時期になって急に悩むことなく、入って行けるのではないかを考えました。また、お父さんへのインタビューも。仕事をいちばん身近に考えるには、お父さんの仕事がいいのではないかと。自分のお父さんはこんなにすごいんだ!という発見をすることを通して、仕事を知っていくことができます。地域も含めてインタビューをしていくことで、相手の強みを発見し、自分の強みを発見することで、ポジティブに考えられるようになれば・・・。3人のメンバーの強みの活かし方としては、編集者は、インタビューのノウハウを伝えることができる。採用担当は、企業に応募するにあたって、自分の人生・キャリアを考えることが大切であることを伝えていける。最終的にはインタビューした内容を、相手に“強みだ”と伝えることが必要なので、研修講師のノウハウとしてプレゼンテーションなどのスキルを伝えていければと。具体的なスキルとして“伝わるコミュニケーション”を身につけることができると考えました。」
④バージョンアップ!
「最初は4人のコラボ企画をと考えたが、なかなかアイデアが出ず・・・ものづくり化学教室をやっており、そのバージョンアップを考えてみました。現状は、電子ピアノ、ロボット、ラジオを作る講座を年10回開催していて、毎回15人程度の参加者がいます。これまでいろいろ趣旨を変えながらやってきています。例えば、部品のひとつひとつが大切であることを伝えるために、部品をひとつ外すとどうなるかを実験し、外見だけでなく、部品がいかに大切かを伝えることもしています。終わったあと、子どもたちは非常ににいい顔をしています。しかし、それで終わってしまうのが課題。なので、ふりかえりとして、反省点を話し合うなどのフォローアップもなど、いろいろなやり方を工夫しながらやっています。バージョンアップのアイデアとして、こうした活動を、放送することでもっと多くの子どもが参加できるのではないか、とか、子どもが集まる場でもっと展開できるのではないか、などというアイデアが出ました。」
参加されたみなさんより
「グループメンバーのスキルを組み合わせれば、いろいろな切り口からプログラムが作れることを再認識した。メンバーのキャリア教育活動の実践内容と現状を聞いて非常に役立った」
「子どもの視点で仕事をわかりやすく伝える、楽しんで理解してもらえるようにするという考え方は、現在の採用の仕事につながると思いますので、ぜひ活かしていきたいです。」(Y.Tさん)
「世代間をつなぐことが必要、求められていると感じる」(下川さん/商社)
「いろんな立場の方が集まってきているのは毎回すごいと思う。すそ野の広がりを感じます。」
「多様な専門性を持つ方が集まって、シェアできたことがよかったです。学校現場に持ち帰れるアイデアをいくつもいただきました!ありがとうございました。」
「はじめての方といろいろお話できてよかったです。職種の違いで見方がいろいろあるなと感じました。」
「参考になるところがたくさんありました。グループメンバーのお仕事と強みが短時間でわかり、それをアイデアに落とし込めたのが、非常によかった。」(A.Kさん/コーディネーター)
「まさに本日のテーマであった“カイシャ”“働く大人”を教育資源にということがつまった内容でした。はじめてお会いした4人で、コラボしたプログラムは、すぐにやりたい感じでワクワクしましたし、キャリア、仕事、若者、教育と言う接点は同じでも、こんなにそれぞれで活動の幅が違うことが新鮮でした。」(R.Yさん/求人広告業)
「グループの皆さんの想いとトーク力、まとめ力、発表力に感動しました。今回のワークそのものがきっと学校に活用できると感じました。」(宇田川さん/13歳のハローワーク公式サイト)
「短時間でのヒアリングによるポイントの抽出はなかなかむずかしいが勉強になった。こういったフレームワークは今後の仕事の中でも使っていきたい。」
次回もお楽しみに〜!